総務省見解 - IP25Bは法的問題点についても整理できることから、ISPによる積極的な導入が図られることが望ましい

id:stealthinu さんの ブックマークコメント から総務省資料の Inbound Port 25 Blocking 導入に関する法的な留意点(PDF)へ。

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恥ずかしながらこの資料を読むまで勘違いしていた*1のですが、IP25B って s25r と同じと思ってよいみたいですね。これについて ISP が導入する場合の法的解釈について総務省が資料を公開しているので読んだところ

  • 電気通信事業法第4条に規定される「通信の秘密」を「侵害する行為」に該当する。
  • ただし以下の要件が認められる場合には、IP25Bは正当業務行為と認められ、違法性が阻却されると考えることができる。
    1. 他のISPの固定IPアドレスからの大量送信はほとんど見られないこと
    2. 他のISPの動的IPアドレスから電子メールが大量送信されていること
    3. トラフィック全体に対する一律のレートコントロールでは、大量送信の防止措置として不十分であること
  • 一定の要件を満たした電子メールについて接続を拒否するものであることが、接続拒否を行うこと(通信の秘密の侵害(窃用))が正当業務行為として許されることから、電気通信事業法第6条に規定される「不当な差別的取扱い」には当たらないと考えられる。
  • 以上のように、IP25Bは法的問題点についても整理できることから、ISPによる積極的な導入が図られることが望ましい。

ということでした(太字は私による強調)。ってことは Rgrey - S25R + greylisting も法的に問題なく、ISP が導入しても良いということですよね。

今まで xSP 事業者のエンジニアの方と話していて「Rgrey 良いですよ」と紹介しても「ISP(or ホスティング事業者)はグレーな手法は使えない」と言われていたのですが、単なるグレイリスティングと違って動的 IP らしい IP*2 からの接続のみにグレイリスティングを掛けるわけですから、運用面では IP25B よりもベターな選択肢だと思います。今後、この資料も加えて Rgrey を紹介することにします。あ、milter-manager も紹介しなくては :)。

*1:botnet のコントローラからの指令を防ぐために、フレッツユーザなどの使用している動的 IP アドレスの 25/tcp 宛パケットをブロックすることだと思っていました。

*2:この辺をどうメンテするかが課題ではありますが...